【男女別】結婚後に後悔する理由と対策:性別で異なる5つの課題と克服法
【記事公開日】2025/6/20
【最終更新日】2025/6/20
目次
結婚生活、もしかして「後悔」していませんか?
結婚の日は、誰もが「この人となら一生幸せだ」「幸せな家庭を築ける」と希望に満ちてスタートするはずです。人生のゴールという言い方をする人もいますね。
しかし、現実の結婚生活は、時に理想と異なることもあります。「もしかして、結婚したのは失敗だったかも…」と、あなたも密かに感じてはいませんか?
実は、多くの既婚者が「結婚を後悔したことがある」と答えています。
この記事では、そんな「結婚後悔」の感情に光を当て、それがなぜ生じるのか、そして男女それぞれが直面しやすい具体的な課題と、その克服方法について深掘りしていきます。
結婚後に後悔する理由とは?
結婚後に「こんなはずじゃなかった」と思うことは、決して特別なことではありません。
結婚後悔症候群とは何か?
「結婚後悔症候群」という言葉があります。これは結婚生活が始まった後に、期待と現実のギャップから強い後悔の念を抱く心理状態を指します。
結婚前と比べて期待と現実のギャップに苦しみ、日常生活での不満感、夫婦間のコミュニケーションの減少、将来への不安など、不満やストレスを抱えてしまいます。
ノマドマーケティング株式会社が2024年9月に実施した調査では、全国の30歳~59歳以下の既婚男女のうち、「後悔したことがある」と答えた人の数が1285人(42.8%)だったとしています。
実に、半分弱の夫婦が結婚を後悔したことがあるんです。結婚を後悔することは、珍しくないことがわかります。なぜでしょう?
共通の後悔理由:価値観や金銭感覚の違い
結婚生活で最も頻繁に耳にする後悔の理由の一つが「価値観の不一致」と「金銭感覚の違い」です。
男女はそもそも異なる世界観を持っており、価値観が完全に一致することは稀です。
例えば、一方がキャリアアップを重視し、もう一方が家庭での時間を優先したいと考える場合、ギャップがありますよね。
「仕事は男性が、家事は女性がするもの」といった根強いジェンダー観や、休日の過ごし方、さらには「いつか相手が変わってくれるだろう」という期待も、価値観の衝突を生む原因となります。
金銭感覚も、後悔につながる大きな要因です。一方が貯蓄を重視し、もう一方が「今を楽しむ」ための支出を好む場合、予算の立て方や生活費の使い道で意見が対立しますよね。
度を超えた浪費や隠れて借金をすること、あるいは働ける状態なのに定職に就かず生活費を入れない、生活費を渡さないといった「経済的DV」は、離婚に至る重大な理由となり得ます。
女性が結婚後に後悔する理由と対策
女性が結婚後に後悔を感じる背景と、それを克服するための対策をお伝えします。
女性特有の後悔理由:家事・育児・性格の不一致
多くの女性が結婚後に直面し、後悔の念を抱く主な理由は「家事・育児・性格」に集約されます。
例えば、
・共働き家庭であっても家事の分担が不公平
・育児サポートが十分でない
・配偶者との性格や価値観の不一致
などが代表例です。
夫のサポートが不十分だと、女性は自分の時間や自己成長、キャリアに制約を感じ、自由を奪われたように感じてしまいます。
また、 結婚前には見えなかった相手の隠れた性格や、生活における価値観のズレも大きな後悔の原因です。
女性が後悔を克服するための方法
後悔の感情を乗り越え、より良い結婚生活を築くためには、夫婦間のコミュニケーションが必須です。
家事・育児の分担について、具体的な作業内容や時間帯を明確にし、お互いが納得できる形での分担を話し合いましょう。
献立考案やゴミの分別といった「見えにくい家事」も可視化し、夫婦がどれほど家事を分担しているか、協力の度合いを確かめることが大切です。
その際に、相手を否定するような言い方は絶対NG。「私は~と感じるから、~してほしい」という「I(アイ)メッセージ」で伝えることが、相手を責めずに自分の気持ちを伝える上で非常に効果的です。
また、自分の時間を意識的に確保する工夫が必要です。一人の時間を上手に生み出しましょう。
男性が結婚後に後悔する理由と対策
男性もまた、結婚後にプレッシャーや変化に直面し、後悔することがあります。
男性特有の後悔理由:束縛感・自由時間の減少
男性が結婚を後悔する主な理由は「束縛感」「プレッシャー」です。
結婚後、自分の時間やお金が減ったり、なくなったりする夫は多いものです。趣味や友人との交流、あるいは単に「一人で過ごす時間」が制限されることに対し、強いストレスを感じることがあります。
例えば、友人と飲みに行く際も、終電を気にしたり、異性とサシ飲みにならないよう配慮したりという状況がストレスにつながります。
家庭によっては「お小遣いをもらう」という別のストレスを受け止めないといけない場合もありますね。
また、妻からの過度な期待や要求がプレッシャーとなる場合もあります。
出世を期待される一方で、家庭に時間を割いて欲しいと言われる。休日に興味ない買い物に付き合わされる。義父母に気に入ってもらう。些細なことで妻が怒る、あるいは妻の態度が冷たくなる。こうした経験から息苦しさを覚え、結婚を後悔する場合があります。
ここには、家庭が男性にとって「安らぎの場」であると同時に「新たなプレッシャーの場」になりうるという、複雑な問題を孕んでいます。
男性が後悔を防ぐための結婚前の準備
男性が結婚後に後悔しないためには、結婚前の段階でしっかりルールを作っておくことが大切です。もちろん結婚してからでも遅くないですよ。
家事分担や子供を持つか、何人欲しいか、子育ての方針、休日の過ごし方、住まい、親との関係性などを話し合っておきましょう。
男性がストレスを貯めないためには、特に「自由時間」と「金銭感覚」について、結婚後の具体的な生活イメージを共有しましょう。
趣味に費やす時間やお金、友人との付き合い方について、ガイドライン的なものがあるだけでずいぶん交流が楽になります。
仕事への価値観、転勤の可能性、育児休暇の取得意向なども、将来の生活に大きな影響を与えるため、事前に職場への確認が必要です。
結婚は「他人同士」が共に歩むこと。相手を変えようとするのではなく、ありのままを受け入れ、尊敬し合う姿勢が大切です。
結婚後の後悔を防ぐための共通のポイント
以下のチェックリストに、結婚前に話し合うべき共通のポイントをまとめました。抜けている項目がないかチェックしておきましょう。
家事・育児
・得意な家事、苦手な家事、できる時間帯
・「見えにくい家事」の認識と分担
・平日と休日の分担ルール
・家事代行や便利家電の利用意向
・子育ての方針、教育費、育児休暇の取得意向
お金
・現在の収入、貯蓄額、借金の有無(奨学金、ローン含む)
・お金の管理方法(共有口座、お小遣い制など)
・生活費の分担割合、趣味や旅行などお金をかけたいもの
・資産形成への考え方(投資、住宅、保険など)
仕事・キャリア
・仕事への価値観、優先順位、将来的な目標
・転職や転勤の可能性、その場合の対応
・結婚・出産後の働き方(フルタイム、育休など)
家族・親族
・実家への帰省頻度、将来的な同居・介護の可能性
・親族との付き合い方、冠婚葬祭への考え方
ライフスタイル・趣味
・休日の過ごし方、一人時間の必要性
・食の好み、清潔感、健康状態、酒癖
・趣味に費やす時間や費用の上限
・許せないこと、これだけは守ってほしいルール
子ども
・子どもは欲しいか、何人欲しいか、いつ頃欲しいか
・養子縁組や里子への考え方
・不妊治療を検討するか、どのステップまで望むか
・出産や子育てへの不安
健康状態・宗教
・持病の有無や服用している薬
・信仰している宗教・宗派の有無
・相手のメンタル面や健康状態の確認
結婚生活を楽しむための心構え
後悔を乗り越えるためには、日々の意識と行動が重要です。結婚生活を楽しむための心構えについて解説します。
相手を思いやる気持ちを持つ
当たり前ですが、結婚生活において最も大切だとされるのが「思いやり」です。
相手の意見や感情に耳を傾け、遮らずに最後まで聞く姿勢を持ちましょう。相手の感情を否定せず、まずは受け止めることが、信頼関係を深める第一歩です。
忙しい時でも小さな気遣いを示し、困難な時に相手をサポートする姿勢を見せることで、心が温かく前向きになり、「さらに役に立ちたい」という思いに繋がっていきます。
お互いの成長を支え合う
相手の目標を理解し、積極的に応援しましょう。相手の良い変化を見つけ、それを言葉で伝えることも、相手のモチベーションにつながります。
人生を共に歩むパートナーとしての意識
結婚生活は、喜びも困難も分かち合い、共に乗り越えていく「人生の旅」です。困難時にも共に乗り越えようとする意欲や、不満があるときにしっかり伝える絆、外食、散歩、旅行など、定期的に「二人だけの時間」をちゃんと作ることが大切です。
そして、こうした対応を相手に求めないこと。いい意味で「相手に期待しない」ことが、一層大切です。
まとめ
結婚生活における「後悔」は、多くの人が経験します。
しかし後悔で終わってしまうのはもったいない!より豊かなパートナーシップを築くための「気づき」の機会でもあるので、日々の暮らしに活かしましょう。
結婚前の期待と現実のギャップ、そして社会的な役割分担意識が複雑に絡み合って「後悔」という気持ちが生まれます。
乗り越える鍵は、結婚前の徹底した話し合いによる「予防」と、結婚後の「思いやり」です。
もし、あなた自身やパートナーが結婚後悔の感情に苦しんでいるなら、一人で抱え込まず、この記事で紹介した具体的な対策を試してみてください。

再木 奈生
シニア産業カウンセラー/キャリアコンサルタント/ポジティブ心理学コーチ
サンマリエでは、社員教育研修、会員向け婚活セミナー講師として活躍中