【男女の違いを理解】愛情表現のギャップと解消法
【記事公開日】2025/9/18
【最終更新日】2025/9/18
目次
「もっと愛情を示してほしい」「好きって実感させてほしい」
男女関係において。“愛情表現”をしてほしいという欲求は恋人や夫婦の間で不満につながりやすい要素の一つです。
単純に男だから女だから……という図式で片づけられないのが愛情表現の難しさ。
日本人に愛情表現に乏しい人が多くいるのは事実です。また、同じ日本でも文化的背景(家族観や地域性)、個人差(性格・過去の恋愛経験)、そして社会が求める性役割期待の3軸が複雑に絡み合うことで、愛情表現にも違いがでてきます。
今回の記事では、愛情表現の定義や男女差、ギャップによる寂しさを薄れさせる方法を解説します。
愛情表現とは?
そもそも、“愛情表現”とは具体的にどのようなものなのでしょうか?
愛情表現の基本的な定義
“愛情表現”の定義として、心理学やコミュニケーション学の領域においては「好意や敬意を、相手が理解できる具体的な言動にして伝える行為」としています。
具体的には「好き」と言う言葉やハグのようなスキンシップなど観察可能な行動を指し、広くには表情・声色・時間の使い方といった“空気”も含まれます。
とはいえ、文化や世代でその定義には揺れがあります。
オンライン英会話レッスン Preply(プレプリー)調べによると、Z世代の29.9%が「ハグをする/キスをする」と回答し、65歳以上は「ハグ3.1%・キス2.7%」。「ハグやキスを受け取るのが嬉しい」はZ世代40.8%に対し、65歳以上14.8%と世代間で大きな差を見せています。
参考:「日本で最も愛情深い都市」1位は那覇、最下位は仙台だと判明!最もハグを積極的にしているのは熊本
表現方法の種類
世代や文化によって愛情の表現方法はさまざま。いくつか、その種類をご紹介しましょう。
言葉で伝える
一番愛情をストレートに表現できるのは、言葉ではないでしょうか。その中でも「好き」「愛してる」「ずっと一緒にいたい」などの直接な表現と、「いつもありがとう」「来年のバカンスは旅行に行こう」「作ってくれた料理とても美味しかった」といった労いや感謝など、少し遠回しな表現方法があります。
一緒に過ごす時間をもつ
どんなに仕事で忙しくても、恋人と過ごす時間を捻出するという行為は立派な愛情表現です。特に男性に多い愛情表現で、言葉や態度で表現されなくても大きな愛情の表れと思われます。
贈り物をする
高価なものを高頻度であげるという話ではありません。「その人らしさ」や「相手を思って選んだこと」が心を動かすのです。
サポートをする
特に男性に多い愛情表現として「問題解決型サポート」というものがあります。相手が抱えている課題を瞬時に処理できる長所がある一方で、「気持ちに寄り添ってもらえない」「共感してもらえなかった」と受け取られてしまいかねない短所でもあります。状況に応じて使い分ける柔軟性が必要な愛情表現といえるでしょう。
スキンシップをとる
ハグや手をつなぐ、マッサージなどの適度なスキンシップは、不安やストレスを軽減させることが神経科学で確認されています。とはいえ、価値観や文化によって“適度”と感じる境界線は多様なもの。公共の場ではスキンシップは控えてほしいと考える人も多くいるので、その希望は無視しないよう気を付けましょう。
男女の愛情表現の違い
男女によっても愛情表現の内容や考え方は違います。それぞれの傾向と、すれ違うきっかけについて触れていきましょう。
男性の愛情表現の傾向
男性には「行動優位型」という特徴が顕著で、「やってあげる行為」で愛情を示しやすいといわれています。例えば、家事を肩代わりする、重い荷物を運ぶ、休日に目的地まで車で送ってあげるなどの行為で好意を示す傾向があります。
直接的な愛情を示す言葉が少なくても、自分の手間や時間を差し出すことで十分伝わると考えていることが往々にしてあると言えます。
女性の愛情表現の傾向
女性は「感情共有型」が目立ち、出来事そのものより“それをどう感じたか”を伝えることで共感を示し関係を深めるスタイルが主となります。男性より女性の方が会話量が多いと言われる理由としては、情報交換より感情交換を重視しているためといえるでしょう。つまりは、相手の反応や共感を重んじる傾向があるのです。
男女の違いが生むギャップ
男女で愛情の方法や考え方が違うのですから、どうしてもギャップが生まれてしまいます。
典型的なミスマッチとしては
・「好意や賛辞は言葉でほしい女性 vs 行動で示したい男性」
・「共感を求める女性 vs 解決策を提示する男性」
・「マメに連絡が欲しい女性 vs 必要時のみ連絡したい男性」
・「スキンシップを重要視する女性 vs 距離感を重んじる男性」
・「サプライズギフトがうれしい女性vs 実用性があって明確に喜ばれるとわかっているギフトを渡したい男性」
などのパターンがあります。
愛情表現のギャップを解消する方法
愛情表現のギャップはゆくゆくは不満につながってしまうことも。早いタイミングでギャップは解消しておきたいところです。
素直に好意を伝える
「恥ずかしいから言えない」と感じる人もいますが、日常の小さな「ありがとう」から始めるだけでも十分。感情を抱いた瞬間に表情や言葉で伝える習慣が大切です。
相手の価値観を否定しない
「そんなの意味ない」などの否定的な一言は、相手を傷つけるだけでなく、これからの会話を短縮させる要因にもなります。ある調査によると、否定語を挟むと会話の継続時間は平均で60%も減少するという話もあるようです。
感謝を示す
感謝を言葉にできるカップルは、そうでないカップルに比べて主観的幸福度が31%高いという調査もあります。
言い方の例:
・「〇〇してくれて本当に助かった」
・「あなたのおかげでうまくいった」
・「一緒にいられて幸せ」
素直に好意を言語化できなくても感謝の言葉なら自然に伝えられるのではないでしょうか。
思い出を共有する
写真や動画は最も手軽なツール。マンネリを感じた時や大喧嘩をしたときにも、過去の写真や動画を一緒に見て当時の気持ちを話すことで、当時の気持ちを思い出すことができるでしょう。ポジティブな気持ちで思い出を振り返ったり共有をすることで、絆を深める効果があります。
記念日を忘れない
記念日にプレゼントを渡す行為は、相手に愛情を実感させられる良い方法です。そしてサプライズをするのか、定番のものを選ぶのかは、関係のステージでも変わってきます。
例えば、交際初期はサプライズでドキドキさせられる一方、付き合って長いカップルでは「毎年同じレストラン」の安心感が評価される傾向があります。どちらにせよ、「記念日を忘れない」とういことは前提。普段愛情表現が照れくさい人も、これを機に絆を深めてはいかがでしょうか。
まとめ
愛情表現には、男女だから、年齢差があるからという一言で片づけられることではありません。その人の環境的要因や価値観や経験で、心地よいと思う愛情表現はまちまち。
大切なのは「自分の愛情表現を押し付けないこと」と「相手の表現方法を理解しようと努めること」。そのうえで感謝や思い出を共有する習慣を持てば、ギャップはむしろ関係を深めるきっかけになります。
この記事が二人の絆を深めるきっかけに慣れれば幸いです。

再木 奈生
シニア産業カウンセラー/キャリアコンサルタント/ポジティブ心理学コーチ
サンマリエでは、社員教育研修、会員向け婚活セミナー講師として活躍中